大正・港区空き家活用協議会 WeCompass
MENU

News & Columnニュース・コラム

セミナー報告 空き家の片付け、不用品処分依頼のコツ

第2回 空き家の片付け、不用品処分依頼のコツ
川幡祐子(一般社団法人大正・港エリア空き家活用協議会)、
山根耕一郎(㈱style-B代表取締役)
2019年10月11日実施

 

空き家をどうする?解決のヒントが見つかるセミナーの第2回目。
実際にこれから片付けをしようとする方、すでに実施中の方などの参加が多く、後半の質疑応答では、実務に関する質問がたくさん出て、活発な質疑応答となった。

 

 

1 空き家の処分や活用前に必要な片付けや荷物の処分 
川幡祐子(一般社団法人大正・港エリア空き家活用協議会)

 

#空き家活用のためには片付けが必要

いま空き家をお持ちの方は、そのままにしておかないで、貸せるものならば貸す方がいい。たとえ将来は貸すつもりでいても、放置したままだと建物はだんだん朽ちてくるし、固定資産税も必要だ。結局その後、解体となったら、処分に結構なお金がかかることになる。

例えばご主人がお亡くなりになり、被相続人の奥様が住まなくなってから3年目までに売却すれば譲渡所得に関して3,000万円控除がある。売却の準備に1年ほどみるとして、2年目以内をめどに荷物を整理することをお勧めする。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税局HP)

空き家になってからではなく、前もって不要品を捨てる「断捨離」をやっておくのも必要だ。衣服や貴金属なども、埃をかぶると、どれが貴重かわからなる。また、ブランド品はカビが生えると価値が低くなる。まして、自分で購入したものでない人が整理するとなおさら。結局、自分のものは、元気なうちに自分でできるだけ断捨離したほうがいい。必要か不要かの判断に迷う物品は、一時保管の場所を決めて半年後に見直すという方法や、物によってはリサイクル業者やウエブの専門サイトなどで換金する手もある。

 

 

#空き家の片付けは、人手を借りて一気に

自分で片付けをして、まとめて処分場に持っていく場合は、廃棄物の分類の仕方や受け入れ分量、その持ち込みの方法など、ルールは自治体ごとに違うので注意が必要だ。また少量のごみ処分でも、長く空き家だった場合は、地域のごみ回収に出せないのが原則である(地域のゴミ回収は居住していることが原則だから)。

大阪市のゴミ持ち込み(自治体ごとに異なるので注意)

 

空き家に残された膨大な物をダラダラ整理していると、しんどくなって、結局、再び放置になってしまいがちだ。とにかく、片付けるなら一気にやってしまう方がいい。人手も何人か集めて(力仕事には男手も必要)、この何日間でやると決めて、まずは段取りを。人に入ってもらうので、あらかじめ下見をして、貴重なものは持ち帰っておくのも得策だ。

 

#上手な片付けには、下準備と段取りが大切

以前、私たちがサポートして実施した2階建て住居の片付けは、オーナーのほかに6名の人手で、2日間で片付けをした。1階から手をつけると、物が出てきて置き場所がなくなるので、1日目は2階、2日目は1階の整理をしてから2階の家具などを下ろした。早めに2階の荷物を下ろしてしまうと、1階の作業スペースが取れなくなるからだ。

ごみ、要るもの、リサイクル品などに分けて整理するが、前もって分類ごとの置き場所の指定図をつくり、それぞれの場所に集めていった。

 

 

リサイクル品として売れるものとして、最近は昔の柳行李やアルミ缶、古い建具など、意外なものに人気がある。目ぼしいものはウエブサイトに出品したり、また、片付け当日までに家を開放して古物市をして、友人知人たちに持っていってもらうというような処分品の減量法もある。

作業に必要な服装や道具については当日までにチェックして準備する(下図。なお、この図を掲載する「空き家片づけ読本」のPDFはこちらから入手いただけます)。また、空き家は、電気が止まっていると、明かりや冷暖房がないので、片付けは寒暖の厳しい季節は避けたほうがいいでしょう。水道やトイレも使えないので、その対策を考えておくことも必要である。

 

 

2 処分を依頼する場合のコツを伝授
山根耕一郎(㈱style-B代表取締役)

 

 

#少量処分なら実店舗に自分で持って行くのが無難

廃棄物の処分を業者に頼む前に、ある程度片付けて、減量するのも大切だ。そうすることで金額を軽減できる。

最近は電話で「なんでも買います」と言ってくる業者が多いが、ご自宅にやってきて、高いものがあるかどうか物色していることがある。基本的に向こうから来る業者はあまり信用しない方がよい。ホームページがある会社でも連絡先が携帯電話ではちょっと怪しげだ。売りたいものがある場合は、面倒でもまずは実店舗を持っている業者にご自分で持っていくのが無難だ。

不用品を換金する場合では、とある買取専門サイトは出品して売るには10%ほどの手数料がかかる。無料でいいので持って言って欲しい場合には、マイナスになる。マイナスにしたくなければ、ご近所さんに無料で譲るサイトもあるので、取りに来てもらう方法を選べばマイナスは避けられる。同じ買取サイトでも違いを見て、使い分ければよい。

いまリサイクルショップでは、家具はあまり売れない。実態としては、ほぼ廃棄処分となる状況だ。意外なことに、食器類はキロ何円かの安い値段設定ではあるが、一括で買ってくれるところもある。

 

#当日までの片付けと減量で費用も軽減できる

大量のごみの処分を頼みたい場合は、2〜3の業者に相見積もりを取って判断するのがいい。金額の安さで比較するのではなく、業者によって条件が異なるので、詳しく見積項目の説明を聞いて、納得したところに頼むのがベスト。量が多くても、自分自身が仕分けをして分類ごとにまとめてあると、その分安くなる。反対に放置したままの荷物を業者に仕分けしてもらおうとすると高くなる。

見積書を依頼するときのポイントは、どこまでの範囲をやってもらうのか(仕分けも頼むのか、処分だけなのか)、どの荷物を処分してもらうのかなどを決めた上で、金額の算定をしてもらうことだ。そうすると、実際の荷物処分の時にも齟齬を防ぐことができる。

 

私の会社では、貴重品や残しておきたいものは、ご本人が先によけておくか、事前に持ち帰ってもらうことをお願いする。業者は、廃棄物を運び出すだけだとやりやすい。反対に、どこかに貴重なものがあるかもしれない場合は、一つ一つしっかりと注意して見る必要が出てくるため、大幅に時間がかかり、その分、人件費が増えてしまう。

 

見積もり作成は、一旦は業者側で全部やるという前提で算出する方法もある。そこから、お客様の予算を勘案し、どの程度ご自身でやられるかをききながら、互いに納得できるライン(金額)を探すというスタンスで見積書を確定して行くこともできる。

例えば、住之江区のアパート一人暮らしの片づけ・廃棄の例(平成19年)では、間取りは6畳二間物量は2トントラック1台、部屋の状態は居住していた状態そのまま、作業員は3名配置で、費用は15万円となった。

 

処分費用と人件費については最低限必要なラインがあるので、見積額が安すぎる業者も注意が必要だ。大手であっても、実際に処分するときには金額が跳ね上がることもあるようだ。そのようなことを予防するためにも、事前見積もりをきっちりと出してくれるかどうかがポイントだと考える。依頼者は、どんな場合に追加料金が生じるのかをはっきり聞いておくことも重要である。

例えばコンクリートブロックなどは、気がつかず荷物をどけたら床に敷いてあったということがよくある。ブロックは産業廃棄物になるので処分するとなると、別途費用がかかる。購入時の金額より処分の方がかかるほどである。だから、良心的な業者なら事前に必ず確認し、あとでわかると、ほとんどの場合、追加料金を請求する。私の会社では事前にその家に伺って、聞き取りしながら、項目ごとにどこまでが含まれるのかなども見積書に明記するようにしている。

 

講師:

山根耕一郎:㈱style-B代表取締役。大手引っ越し会社に勤務後、地元(大阪市港区)で独立、現在は大正区に移転。地域に根ざした生前整理、遺品整理、空き家の片付け、引っ越し、解体取次などを行う。

川幡祐子 一般社団法人 大正・港エリア空き家活用協議会(WeCompass)代表理事。千里ニュータウンの設計や自治体住宅政策立案の会社を経て、大阪市住宅供給公社において団地建替やリノベーションを実施後、現職。当法人の空き家再生事業が評価され、2019年都市住宅学会業績賞学会長賞受賞

 

(テキスト作成者:橋本護)

港大橋