大正・港区空き家活用協議会 WeCompass
MENU

News & Columnニュース・コラム

イベント報告「のきさきあるこ」を開催しました(前半 準備編)

2019年11月29日、30日に大正区三泉通商店街にて「のきさきあるこ」を開催しました。

前半は、開催のきっかけと準備の様子です。(後半 実施編はこちらから)

 

 

1 「のきさきあるこ」開催のきっかけ
#間貸し、空きスペース貸し意向アンケートの実施

2019年8月、三泉通商店街と三軒家中央商店街を対象に、「間貸し、空きスペース貸しアンケート」を実施した。両商店街は大正駅からは徒歩10分強。駅からもっとも近い商店街ではあるが、半数以上がシャッターを下ろすいわゆる「シャッター商店街」の様相を呈している。

日中もどことなく薄暗く、朝夕は歩行者だけでなく、速度を早めた自転車が駅までの移動に利用する動線になっている。

 

 

 

シャッターを下ろした建物の多くは、1階を店舗に2階を居室にした、いわゆる「店舗併用住宅」タイプが多いが、外観だけでは完全に空き家なのか、2階に居住しているのかはわからない。

そこで、シャッターを下ろした建物の使用状況と貸す意向があるのかどうかを把握する調査を実施することにした。

調査対象はお店を開けているかいなかに関わらず悉皆調査(全ての建物を調査)とした。

調査は2段階。まず、留置式アンケート。できるだけ対面でアンケートを手渡しし、調査の趣旨と調査方法を説明して、後日、訪問して回収する方法とした。

アンケートを回収する際に面会できた方には、アンケートとは別に聞き取り調査を実施した。

 

 

 

#複数回の現場確認で空き家を判定

空き家判定は目視と聞き取りを重ねることで、精査した。

まず、1階で営業しておらず、インターフォンがなくなり、郵便受けが塞がれているものは「空き家」と判定した。管理物件の看板が上がっているものも「空き家」と判定した。

しかし、シャッターを下ろしているものの、インターフォンがあり、郵便受けがあるものは実態把握に難航した。「空き家なのか」「2階に住んでいるのか」、すぐには確証が持てないものが多く、延べ2週間の空き家調査期間で、朝夕10回以上は訪ねて、「ガラス越しに漏れる音やあかり」「郵便ポストにある郵便物のなくなり具合」「周囲への聞き取り調査」を頼りに、最終的に「空き家」と判定していった。

日頃は不在で定期的に郵便受けを整理し、様子をみにくるという物件もあったが、これも「空き家」と判定した。

 

#こどもは後を継がない

聞き取りができた物件の多くでは、店主の高齢化が進み、こどもはすでに世帯分離した年代が多かった。こどもは別の仕事についていて、現店主の代で商売を終えると回答する方が多かった。

また、貸すことについては否定的な意見も多かったが、駅から遠い「三泉通商店街」で貸してもいいという意向がやや多かった。貸したくないという理由は「わずわらしい」「貸して退去せずに居座った例を見ているので嫌だ」「すでに1階も居住用に使っていて貸すスペースがない」など。

 

#高齢者にやさしい商店街

商店街のコミュニティは、今なお残っていることもわかった。

かつて賑わいのピークであった時代には、クリスマスやお盆の飾り付け、セールの準備などを助け合ってやっていたそうだ。また、配達用トラックを商店街で購入し共同で宅配サービスもしていたそうだ。

商いを通じてお互いに助け合った間柄はいまも残っていて、いまは店は閉めたが住んでいる方、営業中の方など様相は変わったが、それでも顔をあわせるとお互いをあだ名で呼び合い、井戸端会議をする様子が見られた。中には、ちょっとした用事を頼んだりする様子も目撃した。

また、顔なじみのお客さんも一定いて、会話を楽しむようにゆっくり世間話をして、買い物をする光景が見られた。

店側も高齢者の嗜好に合わせた商品、小ぶりサイズのラインナップなどの工夫をし、シャッター前には休憩用のベンチがあるなど高齢者にやさしい場所となっている。

 

#新規出店の兆し

一方で、駅から近い三軒家中央商店街では、新しい業態がいくつか出店していた。

もっとも多かったのが民泊やゲストハウス。商店街内にもその近辺にも見られた。外国人観光客がスーツケースを転がして歩いている光景も見られた。

さらに、猫カフェ、エクステの店なども見られた。新規出店者は、「空きスペースを借りて新規出店者が増えればいいのに」という意見が聞かれた。

 

#のきさきを借りて限定日に商売をする店も

三泉通商店街では、軒先を借りて、週に数日、出店するケースが見られた。紀州の野菜、果物、加工品(梅干しなど)の出店と、たい焼きや和菓子を売る出店で、いずれも賑わっていた。

 

 


2 「のきさきあるこ」 開催決定〜準備まで。
#活用意向のある場所で社会実験を

 

9月に入り調査結果を受け、今後どのように進めていくかを3社で話し合った。

商店街での新規出店の兆し、のきさきや空きスペースを貸してもいいという方々のご好意を受け止め、商店街での潜在的な購買需要はあるのか、また、人出が多ければ、今後、商店街内でスペースを借りてお店をやりたいという方が出てくるのではないか。そんな思いから、まずは社会実験として軒先を借りてマルシェを開催してみようということになった。

時期は、学生の強い想いに動かされ、準備期間2ヶ月半というタイトなスケジュールではあるが、11月29日30日に開催することになった。

 

開催場所、開催期間を決め、マルシェ名を「のきさきあるこ」と決定。「雨風をしのげるアーケードが特徴であり、どことなく暗い雰囲気も照明や建築の工夫で、雰囲気のあるものに作り変えられるのでは」「のきさきを借りて歩いて楽しい空間を演出したい」「日頃は通行経路としての利用が中心になってしまっているが、違うお店がきたらどれぐらい人が来るか見たい」という学生の思いが詰まったネーミングになった。学生がこれをもとにロゴ、ポスター、店舗配置計画、屋台の設計施工を担当。

一社)大正・港エリア空き家活用協議会では、保健所の手続き、出店者募集、軒先がし所有者との調整を行った。
フェイスブック、インスタグラムでの広報は大学、一社)大正・港エリア空き家活用協議会で実施した。
株)kuruは全体アドバイスとサポートを担った。

 

#屋台制作に地元企業が全面協力

屋台の設計を大学側で進め、骨組みには木材を利用することになり、地元企業である紀洋木材株式会社さんに協力を依頼した。骨組み加工の相談をするうち、材料調達だけでなく、施工方法のアドバイス、材料加工の場の提供など、多大な協力をいただいた。

ロゴ入りの天幕、共通看板、ポスター製作も並行して学生が行った。

 

 

#保健所の出店許可は区役所が協力

飲食の出店が中心となることが想定されたため、保健所の手続きは早い段階から大正区役所と相談しながら行った。保健所には度々電話相談や足を運び、出店者と調整をしフィードバックするという繰り返しを経て、ギリギリの時期に承認を得た。飲食物の許認可は細かいルールがあり、出店者のメニューに関係してくるものであり、また、出店者メニューは、広報するポスターに落とし込む必須の情報である。このように他の作業に影響する要の業務であり、かつ2ヶ月半というタイトなスケジュールの中でうまく収められるかどうか、最も神経を使った点であった。

 

 

 

 

#出店者は地元店舗が参加。

出店者募集は、フェイスブックでの告知とともに、口コミで知り合いに声をかけた。10店舗の出店目標としたが、最終的には12店舗の出店があり、8割は地元大正区のお店であった。出店ルールの中には後から追加でお願いした項目もあり、保健所の手続き上メニュー変更をお願いした店もあったが、一様に協力的であった。「地元のためなら」「かつて賑わっていた商店街の姿をもう一度見たい」など、地元愛から協力してくれる店舗が多く、感謝しかない。

    のきさきあるこ募集要項

 

 

 

 

#「集い」「たまる」イートインやベンチも配置。

出店者の配置計画には、屋台の配置の他に、商店街を通る人たちが賑わいや楽しい雰囲気を感じるため、イートインスペースを作り、屋台と屋台の間にはベンチを配する計画とした。

 

 

#商店街も全面協力、出店者も広報支援

「のきさきあるこ」の開催を計画した直後に、商店街に相談に行い、すぐに承認をいただいた。商店街振興組合事務所のトイレ、水道、ベンチ、テーブルの貸し出し、広報などで協力をいただいた。

また、出店者は大正区内のお店が多かったということもあり、地元へのチラシ配布や口コミなどの協力をいただいた。

 

さあ次はいよいよ当日!(後半へ続く)

 

(ライティング:川幡祐子)

SNSアカウント

Instagram

Instagram
港大橋